最新号 November 2019

波光

2019.11月号 今、“焦眉の急”ではないか

 浜通り復興のための新たな構想が続々出てきた。中には世界初というものまで。しかし、この地域の“核”となる都市にもかかわらず、いわき市が拠点の強力プランなどは皆無に近い。果たして力量不足なのだろうか。 
 8年9カ月前の大震災。浜通りの惨状は改めて記すこともないが、特に当時の海岸ラインは目を覆うばかりだった。原発事故に伴う双葉郡からは、多くの人がいわきへ避難。時を経て故郷への帰還者は相次いだものの、まだ市内で生活を続ける人は少なくない。  
 こうした中、復興庁などはこの夏に発表した福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想で、浜通りに国際教育研究拠点を置くことを決めた。今後、有識者会議などを経て復興・創生期間後の基本方針に組み入れる、という。  
 構想では過去、南相馬市、浪江町で施設の整備を図ってきたが、意外やいわきは“蚊帳の外”。復興の関連施設?が小名浜への大型店舗の誘致程度では鼻白(はなじろ)む。当局による拠点地の選定、誘致はこれかららしい。逡巡(しゅんじゅん)なく動くチャンスと思う。  
 「浜通りの復興は、いわき市がリーダーに」。こんな声をよく耳にする。だが、独断は他地区との間に禍根を残す。各市町村との協調は自明だ。震災後、浜通りの景況は目に見えて下降。観光業はおぼつかず、水産業もさっぱり前進がない。各業界すべて「焦眉の急」なのだ。 (編集長)

次号予告

12月号は2019年11月下旬発行
★連載:いわき再発見シリーズ13「歩み続けて老舗」/私の博物誌★エッセー:ゲンバ女子/まぁ〜るく、まるく ほか