最新号 November 2018

波光

2018.11月号 月光仮面だ、チャンバラだ

 時は矢のようなスピードで走り去るのが常だが、そんな時代の一端を切り取った写真展「昭和のこども」を見た。
 戦争という“闇”から脱し、近代化へ向け萌芽(ほうが)を始めた社会で生きる子どもたちのさまざまな笑顔。瞬時、過去へタイムスリップした。
 この秋口、いわき市立美術館で1カ月半にわたって開かれた写真展。19人の写真家から、大小170枚のモノクロ作品が並んだ。撮影年代は、戦時中の10年代から復興へ歩み出した30年代の後半までが主流。
 被写体となった10歳前後の子どもたちの頭髪は、男の子が坊主か、坊ちゃん刈り、女の子はおかっぱの “定番ルック”。戸外での月光仮面ごっこ、チャンバラ、馬乗り、紙芝居、家の手伝い、授業風景などなどを巧みに写し出している。
 テレビ、パソコン、スマホ、美食もなかった時代。だが、社会人となった彼らは黙々と働き、現在の経済基盤、成長の一役を担ってきた。すでに多くは社会の第一線から退いたことだろうが、写真の表情からは、決して豊かではないものの、開放的な明るさが随所にみられた。
 会場には折から、7、80人もの中高年層の男女が訪れて鑑賞、口々に懐かしそうに当時をたどっていた。帰途、もし可能なら孫の世代になる平成の子どもたちと「精神構造」などをぜひとも比べてみたい、との“悪心”がチラリよぎった。(編集長)

次号予告

12月号は2018年11月下旬発行
★連載:いわき再発見シリーズ12「―群像―いわきの誉れ」/私の博物誌★エッセー:変わる、かわる、体と心がカワル/言葉、つれづれに/うまい話し ほか





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