最新号 April 2020

波光

2020.4月号 山はピンクに染まったが

 下が上を裁く。NHKでも今、“見本”のような大河ドラマを放映中だが、例えば、国の最高権力者たちがミスだらけの政治を行ったら…。春の今、諸々の事案で大揺れのこの国。狷介(けんかい)・忖度(そんたく)の政界事情を仄聞(そくぶん)すると、民による下剋(げこく)上の勃発前夜のような空気が濃厚だ。杞憂(きゆう)ならいいが。  
 請われて、自動車メーカーの最高ポストに就いた外人社長がいた。コストカッターを続けた結果、業績を黒字に転換。その勢いで次々に新手を打って得意然。喝采を浴び続けたものの、いつしか慢心。自らの驕(おご)り運転にブレーキがかからず、結局、逮捕、拘置所行き。  
 東京五輪まで半年を切った。出場に懸ける選手たちは最後の調整、練習に余念がないようだが、先日、テレビで空手の試合を見ていたところ、道着こそ全員白だったが、帯は赤や黄色を締めていた選手のなんと多かったことか。驚いてしまった。
 どの社会にもこうしたワンマン体制のケースはある。珍しくはない。頂上を極めれば、下るだけ。だが、見晴らしの良さ、居心地に満足し、しがみつく。唯我独尊(ゆいがどくそん)は、組織において最も危険な兆候の始まりということを彼方(かなた)に追いやってしまう。
 しかし、こと国の運営になると話は別。茶坊主的な閣僚、そして官僚。こうした人材の上で言を左右にしながら舵(かじ)を執る為政者。度を超した政策を繰り返せば、待つのは、しっぺ返し。民の目は常に光っている。  
 遠望の山々がピンクに染まってきた。桜は想(おも)いの心でじっくり愛(め)でるものだが、今年は新型コロナウイルス、花粉、インフルエンザで全国的に“沈黙の春”。花冷え程度なら我慢できるが、今後の経済状況が心配だ。 (編集長)

次号予告

5月号は2020年4月下旬発行
★連載:私の博物誌/七浜海道を行く/うまい話し新聞別刊★エッセー:ある日、突然…「心のケア」/わんにゃんQ&A ほか