最新号 September 2019

波光

2019.9月号 文字、やはり書いてみよう

 パソコン、スマホの普及でペンを執らなくなり、この影響で文字忘れも頻繁だ、と嘆く人が多い。今号の本誌の特集で関連の現況をまとめているが、“文字離れ”、ますます拡大しそうな気配にある。つまりは、「書けばいい」ことなのだが。  
 当方、「文字書き職業」からワープロ、パソコン使用の「文字打ち商売」になって20年近い。それ以前は鉛筆(主にB)、さらにはボールペ ンに持ち替え、辞書を引きながらも、拙い文字で原稿用紙の升目を埋めていた。ペンだこは自慢の一つだった。  
 だが、時代の趨勢(すうせい)の中、利器を預けられ、“悪戦苦闘”。異常なほどのメカ嫌いのため、「文字打ち」に関して四苦八苦は今も続いている。周囲も次々に手書きからクラ替え。編集部には、連日、無味ともいえる文章が、はがきやメールで舞い込む。  
 しかし、やってくるそれらは誤字が多い。「月刊」が「月間」などは茶飯事。漢字そのものの間違いも著しい。「文字は人柄を表す」とはよく言われるが、巧拙はよそに、それぞれ手書きに“再挑戦”してみてはどうか。日本の偉大な伝統文化なのだから。  
 文字のひどさは、人後に落ちない。ならばと思い、硯(すずり)や筆を求めてこの春からこっそり「お習字」の練習を始めた。渡来モノとはいえ、日本の文字は先達が苦心して築いてきた文化。大切にと思いつつ、この原稿はパソコンで打っている。 (編集長)

次号予告

10月号は2019年9月下旬発行
★連載:いわき再発見シリーズ13「歩み続けて老舗」/私の博物誌★エッセー:ゲンバ女子/まぁ〜るく、まるく ほか