最新号 October 2019

波光

2019.10月号 熱気と熱波の三国志展

 あまりの人気ぶりに圧倒された。上野の東京国立博物館での「三国志展」。英雄、豪傑たちが中原に覇を競いあった男たちの“遺品”が並んだ展覧会場。夢を求め、精いっぱい時代を駆け抜けた彼らの熱に伝播された人でごった返していた。  
 改めて記すまでもないが、隣国は中国のその昔の話。魏、呉、蜀という3つの国が鼎立して競い合った、いわゆる三国時代(184~280年)。日本は弥生時代の中頃で、卑弥呼が国を治めていたころとやや重なる。  
 志は、当時の動乱期を今に伝える歴史書の1つ。蜀という国で生まれた官僚の陳寿が編纂。その後、史実と創作が織り交ぜられた小説『三国志演義』として世に出、日本国内にも広まった。最近は漫画や映画にもなり、人気に拍車をかけている。  
 キラ星のごとく登場し、活躍を続ける個性派の人物たち。故事成語の「三顧の礼」「死せる孔明、生きる仲達を走らす」など本から引用の文言は今も生き、人心を揺さぶる。老若男女でぎっしりと埋まった会場、自らを彼らに重ねたか、どの目も熱かった。  
 所用で上京。用事を済ませた後、会場へ一目散。入り口には、蜀の猛将・関羽の大看板。展示品は副葬品、図、器、激戦地の写真類、刀剣などなどが限りないほど出品されていた。汗だくになりながら見学した後、300ページ超の『三国志本』を買い、じっくりめくっている。 (編集長)

次号予告

11月号は2019年10月下旬発行
★連載:いわき再発見シリーズ13「歩み続けて老舗」/私の博物誌★エッセー:母のホンネ/“聴き酒”の夜…ほか